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2016年10月10日

涸沼シーバスを元気に返そう

 涸沼で捕獲したシーバス。

 まず、キープすることはない。
 ルアー丸飲みされ、フックがエラに掛かってしまったり、
 実家のじいさまが「スズキが食いてえ、持ってきてくれ。」
 といわれた際など。
 
 まあ、数年に一本といったところだろうか。

 ここ数年の涸沼、
 死んでしまい、真っ白に浮いてる、魚体を見かけることは、
 以前よりもずいぶん少なくなった気がする。
それでも、浮いてるシーバス亡骸はそこそこ見かける。

 釣った後の処理に問題があることが多いのだろう。

 キープするのであれば、それはそれで問題はない。
 とやかく言える権利もない。

 問題はリリースの方法。
 当然、なるべく早く返してあげるのが何より。

 でかいシーバス釣り上げれば、興奮、感動、
 じっくり写真撮影、計測。同行者が居れば、記念撮影。
 気持ちは理解できる。そりゃあそうだ。

 しかし、リリースするのであれば、時間はかけちゃあかわいそう。
 5分、10分も引っ張り回されれば、完全に虫の息。
 とにかく早く早く、水に返す。

 さて、フックアップから捕獲までに暴れまくったシーバスは、
 捕獲の時点で、かなり消耗しているはず。

 なるべく回復させ水に返すには?

 まずは、なるべく魚体に触れないこと。
 できれば素手で直接触れる際には、手を濡らすこと。
 10月現在、涸沼の水温は20℃ちょっと。
 人間の体温は36℃前後。
 素手で魚体を触れば、シーバスはかなりのストレス。
 水温15℃前後の渓流魚は、より大きなダメージ。
 シーバスはうろこが付いているので
 それほど神経質になることもないか。

 フックを外し、水に返す際は、エラに水を送り込んでやること。
 片手で、下唇を持ち、口を広げエラを広げる。
 もう片方の手は下腹に添え、安定させる。

 そして、前後にゆっくり、ゆすり、開いた口からエラに
 水を通してやる。
 するとゆっくり元気になっていくはず。
 元気になるまでゆすってあげる。 

 手を放し、横を向かないので
 尾鰭を動かすようであれば、おそらく大丈夫。

 もう一度、口に手を入れ、幾らか勢いをつけて、
 前に引っ張てやり、泳ぎ出す勢いを補助してやる。

 ゆっくり泳ぎ出せば、きっと大丈夫なはず。
 
 そんな感じ。
 釣ってすぐであれば、こんなことをする必要はない。

 水温が30℃にもなる夏場は、陸揚げしただけで死んでしまうかもしれない。
 水の中でリリースしてあげられれば。なにより。

 でかけりゃでかいほど、確実にリリースしてあげたい。
 でかくなる遺伝子を絶やすのはもったいない。
 巡り巡ってきっと、もっと大きな魚を連れてきてくれるはず。

 リリースするなら確実に。
 やばいときは持ち帰ろう。
 命に感謝して、しっかり食べよう。

 全域キャッチアンドリリース、日光湯川。
 ブルックトラウト、その再生能力、自然に生きるたくましさ。
 初めて入渓したとき、まあびっくらこいた。
 すげえ、生命力なんだと。

 魚も環境も違うが、同じ魚類。
 生命力はたくましいはず。
 少しでも生き残る魚が増えれば、遺伝子は受け継がれる。
 涸沼に遡上するシーバスも増えるはず。
 数が増えればでかいシーバスも増えるはず。
 



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